〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
佐藤昇議長 御異議なしと認めます。
よって、
松田哲也議員を目黒区
総合戦略等調査特別委員会委員に選任することに決定いたしました。
次に、日程第6、一般質問を行います。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎一般質問
○
佐藤昇議長 区政一般について質問通告がございましたので、順次これを許します。
34番
橋本欣一議員。
〔
橋本欣一議員登壇〕
○34番(
橋本欣一議員) これからの質問に先立ち、
北朝鮮政府による
弾道ミサイルの発射並びに核実験に対して、一言意見を申し述べます。
これまで我が国、そして国際社会から厳しく自制が求められたにもかかわらず、これらの一連の実験を強行し、
我が国上空にミサイルを通過させたことは暴挙であり、言語道断、強い憤りを覚えるところであります。この件については、本日の
議会運営委員会において意見書案が提案されましたが、現状を鑑み、目黒区議会としても決議を上げていただきますよう、一議員としても望むところでございます。
それでは、一般質問に入ります。
私は、自由民主党の目黒区議団の一員として、大きく3点について一般質問を行います。
要旨は通告書のとおりでございますので、質問に対しての御答弁をいただきたく、よろしくお願いいたします。
それでは、1番、公会計制度導入について。
平成11年、
地方自治体の財務内容について、
地方公共団体の総合的な財政分析に関する
調査研究会が発足されました。これまでに、企業会計を意識した
貸借対照表や
行政コスト計算書などの
作成モデルを公表してきました。平成18年度には、東京都が複式簿記・
発生主義会計の考え方を取り入れた新しい公会計制度を導入し、同年度末には
北海道夕張市が
財政再建団体に転落したことにより、
地方自治体の財務内容に注目がされるようになりました。また、新
地方会計制度研究会、同
実務研究会の発足、報告書などが公表され、総務省から財務4表の整備要請がなされた年でもありました。
目黒区議会でも、目黒区の借金額が多いなどの議論があり、当時の
企画総務委員会では、平成4年に
財政再建団体に転落し、13年に再建が完了した福岡県福智町、当時は赤池町です、にて転落から再建までの道のりを視察したこともございました。また、後で述べる
基準モデルを試験的に取り入れた岡山県倉敷市への視察では、会計制度の運用や固定資産の評価方法についてなどを伺った経緯もございました。
総務省はこれまで、さきの研究会が報告した会計方式である
基準モデルと
総務省方式改訂モデルを提案し、各自治体がこれらを選択して財務諸表を作成してきました。目黒区においては
総務省方式改訂モデルを採用し、その後、各財務諸表の整備を行ってきたものと理解しているところでございます。
それでは、質問に入ります。
(1)目黒区の財務諸表の作成について、総括的な意味も込めて伺うんですが、これまでの区の取り組みと経過がどうだったのかをまず伺います。
(2)先ほど述べた
基準モデルと
改訂モデルでは、固定資産の算定方式に違いがあります。
基準モデルは時価で評価を行い、
改訂モデルは積み上げ方式の取得原価、いわゆる簿価で評価することが大きな違いであります。目黒区では、今回国が示す統一的な基準に基づいて財務諸表を整備しますが、この秋に公表される財務諸表は、これまでと何が変わったのか、その結果、何がわかるようになったのかを伺います。
(3)そして、今回公表される新しい財務諸表は、
地方自治体が規模に応じて順次統一的に採用されるものであり、自治体間でさまざまな比較ができるようになると承知しておりますが、今後これらの財務諸表を目黒区としてはどのように活用していくのか、展望を伺います。
続いて、2つ目に入ります。民泊について。
民泊という言葉はこの数年来、耳にするようになりました。しかし、それより以前から旅館業法の範囲内での適法民泊、そして業法を逸脱した違法民泊は存在してまいりました。昨今大きく注目される理由は幾つかございます。
まず、国が
国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した特区民泊の活用にかじを切ったことが挙げられます。これにより、旅館業法の特例として、
外国人旅客の滞在に適した施設を、短期的な
賃貸借契約を結び、定められた特定地域内において知事に申請することにより事業を起こすことができるようになりました。この特例を受けた自治体が大田区、大阪府、北九州市などであり、注目を集めることともなりました。
また、もう一つの注目点として、宿泊したい利用者と宿泊させたい
施設所有者との需要を一致させる手法が普及したことが挙げられます。
インターネット、
スマートフォンの利用拡大に伴い、泊まりたい人と宿を結びつける
マッチングサイトである、世界的な展開を行うA社、国内専業のS社、T社などの利用が普及し、マスメディアなどでも取り上げられ、参加者が増加。注目を浴びるようになったと理解しています。
しかし、宿泊者と宿主の利便性は向上したものの、施設の近隣住民、住宅を管理する
不動産業者にとっては、さまざまな
トラブル施設と認識されるようになってきたところでもあります。
本年6月、
住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が新たに可決、成立され、いよいよ来年度の施行が予定されております。これにより、民泊は新たなステージを迎えることとなります。施行後は、
住宅宿泊事業者や
運営管理代行業者、
住宅宿泊仲介業者が届け出や登録を行うことにより、旅館業法の許可を得ることなく民泊業を行うことが可能になるとされ、
民泊ビジネスの
参入ハードルが低くなるところであります。
新法で定める事業形態としては、家主居住型(ホームステイ型)と家主不在型(
投資型民泊)の2種類があり、双方とも
年間宿泊数は180日以内、床面積に応じた宿泊者数の制限、衛生管理、災害時の安全確保、
宿泊者名簿の備えつけなどが定められています。特に家主不在型は、騒音、ごみ出しのトラブルや犯罪の温床となる可能性も高く、常駐の管理者がいない場合、その管理は厳しいものになると予想がされます。
新法では、従来、宿泊施設の営業ができなかった
住居専用地域系でも
民泊施設の営業ができるようになり、多くの地域が
住居系用途地域を占める目黒区でも、宿泊施設の増加が見込まれているところでございます。
民泊ビジネスに取り組むことは、基本的には自由でありますが、目黒区としては、これまで述べた懸念があることを承知しながら民泊の方向性を探り、さまざまな対応を考えていくことが肝要と存じます。
そこで、以下の質問をさせていただきます。
(1)区内でも幾つかの
民泊施設が
マッチングサイトですぐ見つけることができます。これらの施設において、これまでどのようなトラブルが起きているのか、また、今後想定される課題を伺います。
(2)先ほど述べた自治体では、先立って民泊が普及しています。これら
先行自治体からどのような情報収集を行っているのか伺います。
(3)そして、民泊に対する目黒区の今後の姿勢を伺います。
2番を終わります。
続いて3番、
個人情報保護法についてですが、
個人情報保護法が施行され、10年が経過しました。その間、
一般使用者としては、
インターネット環境やその利用端末、携帯電話などの普及。
情報提供者側としては、
ビッグデータの取り扱い、
IoT技術の発展など、双方の装置、ハード面が進化し、個人情報の取り扱いにおいては、これまで想定しないような対応が求められる時代ともなりました。また、
グローバル化の拡大に伴い、国際的にも個人情報の利用について整合を求められるようになり、個人情報を扱う環境は、法が定められてからの10年で大きな変化がもたらされました。
これらの要因もあり、
個人情報保護法は平成27年度に大改正が行われ、ことしの5月30日より全面施行されたところでもあります。主たる改正内容としては、
顔認識データや指紋などの
身体的特徴や
運転免許証番号、旅券番号などの個人に割り当てられた番号などは
個人識別符号として定義され、明確化されることとなりました。また、法改正前の個人情報についても、5,000名以下の扱いであれば法規制の対象外とされた
小規模事業者についても、義務や監督、罰則の対象になったことなどが挙げられます。
ここで、1つ心配すべき事項が生まれました。それは、日ごろ目黒区に協力していただくさまざまな団体が、5,000名以下の規制がなくなることにより、法の適用対象となることであります。町会・自治会、住区住民会議、体育団体、文化団体、社団法人、
NPO法人、外郭団体などさまざまな団体が個人情報を扱えば、今回の改正で適用対象となりますが、その心配事は、それらの団体が
個人情報保護法の対象になることを承知しているかどうかということでございます。
全国団体や東京都団体などの大きな団体の下部組織などは、上部団体からの通達などもあり、適用対象となったこと、また、その対応などが通達されているところもあると思います。しかし、上部団体のない
小規模団体が、法改正により適用団体になったこと、また、どのような対応をしなければならないのかを知ること、気づくことは、なかなか困難であるのではないでしょうか。普段的に目黒区に協力していただいている団体が、法改正により思いもよらないトラブルに巻き込まれることは非常に残念なことであると思います。
そこで伺いますが、目黒区から区内団体に対し、法改正があったこと、改正点、新たな課題への対応について、お知らせや啓蒙が必要だと考えておりますが、いかがでございましょうか、伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 橋本議員の3点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず第1点目、公会計制度導入についての第1問、目黒区の
財務諸表作成についてのこれまでの取り組みと経過についてでございますが、本区では、
社会経済状況の変化に対応できる強固な財政基盤を確立していくため、区財政の実態をより正確かつ総合的に把握し、区民にお示しすることを目的として、いわゆる
企業会計手法による
財務諸表作成に取り組んできているところでございます。
具体的な取り組みは、国からの通知の内容等を踏まえて段階的に進めてまいっているところでございまして、大きく分けますと3つの段階で進んできているものでございます。
まず最初の第1段階は、財務4表のうち、区の資産と負債をあらわす
貸借対照表と
行政サービスの費用をあらわす
行政コスト計算書を作成する取り組みでございまして、平成12年度に区として初めて
貸借対照表を作成し、平成13年度から20年度までは、これに加えて
行政コスト計算書を作成いたしました。
貸借対照表の作成により、区の資産と負債の全体的な状況を初めて数値としてまとめ、土地や建物など固定資産の全体規模を把握するとともに、
行政コスト計算書の作成により、
行政サービスの提供のために使用したコストを数値であらわしたものでございます。
続く第2段階では、これらに加え、純資産の増減状況をあらわす
純資産変動計算書と現金収支の状況をあらわす
資金収支計算書、すなわち財務4表を作成する取り組みでございまして、平成21年度から28年度まで、国が示す作成基準の一つである
総務省方式改訂モデルにより、財務4表の作成を行ってまいりました。
今年度からは新たな第3段階として、国が示す新しい統一的な基準に基づく財務4表の作成を行っていくこととしております。現在、作成のための作業に取り組んでいるところでございまして、作成後は区議会への御報告、区民への公表を行ってまいります。
次に、第2問、この秋に公表される財務諸表は、これまでと何が変わるのかについてでございますが、先ほど御答弁申し上げたとおり、現在、国が示す統一的な基準に基づく財務4表の作成に向けて取り組みを行っているところでございまして、その完成、公表の時期については、昨年度の財務4表と同様、11月を予定してございます。
今年度作成する財務4表は、
貸借対照表、
行政コスト計算書、
純資産変動計算書、
資金収支計算書の4表でございまして、この点については昨年度までと同様でございます。これら4表の作成に当たって、よりどころとする国の基準が、昨年度までの
総務省方式改訂モデルから統一的な基準に変わるものでございまして、これに伴って、4表の内容自体が昨年度までと大きく変わるというものではございませんが、作成基準の変更に伴って変わることといたしましては、例えば固定資産の評価の仕方が変わることなどのほか、主に次のことがございます。
第1に、昨年度までは財務4表の作成基準が
総務省方式改訂モデル以外にも複数あり、自治体によっては採用する作成基準がまちまちであったため、
自治体同士の比較が困難であったものでございますが、今年度からは全国の自治体の作成基準が統一のものとなりますので、自治体間の比較をしていくことが可能となっています。
第2に、
総務省方式改訂モデルによる財務4表は、決算のデータとして別にまとめたものを活用した簡便な方式によるものであり、個々の
取引データを積み上げて作成するというものではなかったため、事業別や施設別のコストの分析を行うなどの活用に適さないという課題がございましたが、今年度からは複式簿記を導入し、個々の
取引データを用いて財務4表を作成いたしますので、今後はさまざまな形での活用を検討していくことが可能となると考えております。
なお、実際に他団体との比較や事業別、施設別の
コスト分析などの活用を行っていくためには、さまざまな課題もございますので、そうした点も含めて検討を行ってまいります。
次に、第3問、新しい財務諸表を今後どのように活用していくのかについてでございますが、国が示す統一的な基準による財務諸表を作成する目的は、現行の予算・決算制度で採用している、いわゆる
現金主義会計だけでは見えにくいコストや財産の情報を的確に把握して、適切な財政運営のために活用していくことでございます。新しい財務諸表は、今年度初めて作成するものでございますことから、その具体的な活用策については、今後検討してまいりますが、
先進自治体における取り組みなどを見ますと、例えば財務4表のうちの
行政コスト計算書を事業別に作成し、事業別の
コスト分析を行って行政評価に活用している事例などがございます。
事業の評価は、
区民ニーズの状況や当該事業の実施による
区民福祉向上の効果など、さまざまな要素を勘案すべきものであり、かかるコストの大小のみをもって行うべきではないことは当然でございますが、これまでの会計の仕組みでは見えにくかったコストを見える化し、よりよい区政運営を行っていくための検討の基礎資料として活用することは、有意義なことであると考えております。こうした分析は、年々データを蓄積していって経年の変化を見ることにより、さらに有用なものとなると考えております。
また、国が統一的な基準による財務諸表の作成を全自治体に要請している理由の一つに、他団体との比較を行うことを可能とすることがございます。今後、こうした点も含めまして
先進自治体の事例等を参考にしながら、目黒区にふさわしい活用方策を検討してまいりたいと存じます。
次に、第2点目、民泊についての第1問、区内の
民泊施設において、これまでどのようなトラブルが起きているのか、また、今後想定される課題は何かについてでございますが、本年6月には
住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が成立いたしましたが、施行は平成30年となることから、現時点では、区内における民泊は、無届けのいわゆる違法民泊として取り扱われることとなります。現在、旅館業法を所掌してございます
生活衛生課には、見知らぬ人が頻繁に近隣の建物を出入りしており、防犯面で不安があるというような声が多く寄せられているほか、騒音やごみに関する苦情なども寄せられております。これまでは大きなトラブルと言える事例までは発展してはございませんが、このような防犯や騒音、ごみなどについての区民の皆様からのお問い合わせは、平成27年度は22件、28年度は96件と急激に増加しているところでございます。
また、今後想定される課題についてでございますが、大きく3点に分けますと、まず第1に、ただいま申し上げました
民泊施設と近隣住民の方の間で発生すると思われる苦情等のトラブル対応や違法民泊の取り締まり、生活環境維持といった課題。第2に、民泊新法においては、都道府県事務である
住宅宿泊事業者の届け出や受け付け・監督事務を保健所設置市と特別区がかわって処理できる規定があることから、区が権限移譲を受けて関係事務を所管するのか、窓口対応をどうするのかといった課題がございます。第3に、民泊新法は、急増する訪日外国人観光客のニーズや大都市部における宿泊需給の逼迫状況に的確に対応し、来訪、滞在を促進する趣旨となっている一方で、宿泊事業の年間の提供期間や区域について、地域の実情を反映し、東京都から区が権限移譲を受けて条例で制限できることから、区の住環境を維持するために期間制限についてどうしていくかといった課題があり、現在、これらの多岐にわたる課題への検討を進めている状況でございます。
次に、第2問、
先行自治体からどのような情報収集を行っているかについてでございますが、民泊新法につきましては、旅館業法が適用される事業者との運用面の違いや
住宅宿泊事業者の届け出や受け付け・監督事務の詳細、事業者の責務等の詳細や、生活環境の悪化を防止するため、地域の実情を反映し、宿泊事業の年間提供期間や区域を制限する条例の基準については、今後公表される国の政省令に委ねられております。また、
住宅宿泊事業者等が事業を営む際に守るべき点などについて、観光事業を所掌する観光庁等から民泊新法のガイドラインという形で示されるとされておりますが、予定が大幅におくれており、いずれもいまだに公表されていない状況がございます。
こうした中で、国との連絡調整役であり、都内における民泊新法の事務を所掌する東京都において、7月になって区市町村との協議や連絡調整の体制強化のため、住宅宿泊事業対策本部が設置され、8月には産業労働局に専任の担当課長を配置するとともに、特別区との情報交換のための検討会議が開催されたところでございます。会議の中では、
先行自治体である新宿区から、区内部の検討状況について担当者から詳細な報告があったほか、各区から出された課題や疑問点について情報共有や意見交換が行われております。新宿区では、昨年度から区独自ルールを検討してきた一方で、成立した民泊新法の運用面の政省令など不明な点が多く、検討が進んでいない状況などを伺っております。また、特別区の部長会や課長会など関係する会議においても、随時情報交換などが行われている状況でございます。これらの会議体を通して情報収集や、東京都が直接事務を担当する多摩地域の市町村との意見交換結果などの把握に努めながら、引き続き法施行に向けた準備を進めてまいります。
次に、第3問、民泊に対する今後の姿勢についてでございますが、民泊新法は、区民の皆様はもちろんのこと、住宅宿泊事業を今後行おうとする事業者、民泊を利用する来訪外来者など、さまざまな方への影響がございます。また、民泊事業を行う建物からの騒音やごみ排出、生活習慣の違いから来る課題や外国語対応、防犯など、区としてはさまざまな部局にまたがる課題があり、さらに区だけでなく国や都、警察や消防など多様な部門と連携していく必要がございます。区では現在、民泊に対する課題を抽出し、区民の安全・安心の確保を目的とした適正な対応を検討するため、関係所管による内部組織として民泊対応検討会を設置し、今後の対応を検討しているところでございます。
また、9月には国土交通省と厚生労働省による都道府県及び特別区担当者向けの説明会も行われることとなっており、こうした機会を捉えた情報収集にも努めてまいります。特に、宿泊事業の年間の提供期間や区域について、区独自で制限する条例を制定するかについて判断材料が少なく、現時点では明確には申し上げられる状況ではございませんが、目黒区においては住宅系の用途地域が約8割を占めており、さらに第一種低層住居専用地域については約5割を占めているという顕著な特徴がございます。海外等の観光客の来訪、滞在を促進するという民泊新法の趣旨には一定の理解ができるものの、区としては、法律が施行された後も、区内の良好で閑静な住環境を守っていく姿勢で臨んでいく必要があるものと考えております。
さらに、条例を制定する場合、法律の施行日の3カ月前から事業者の届け出、受け付けが開始されることから、検討する時間が限られてきております。いずれにいたしましても、国において民泊新法の具体的な運用を定める政省令の内容等を速やかに示すことが不可欠でございます。今後は都や他区とも連携しながら、さらにスピード感を持って民泊の諸課題に対する具体的な検討を進めるとともに、制度について区民の皆様への周知などにも努めてまいりたいと存じます。
次に、第3点目、
個人情報保護法の改正についてでございますが、個人情報の保護に関する法律、いわゆる
個人情報保護法は、事業者に対して、個人情報の取得、利用、保管、提供、本人からの開示請求等への対応といった5つの義務を課している法律でございまして、本年の5月には大きな改正が行われたところでございます。
主な改正点でございますが、まず、特定の個人を識別することができる
身体的特徴や個人に割り当てられた番号等である
個人識別符号が個人情報に含まれると明記されたこと。それから、不当な差別、偏見、その他の不利益が生じないよう、取り扱いに特に配慮を要する情報である要配慮個人情報に関して、規定の整備が行われたこと等でございます。
お尋ねのこれまでの適用外であった団体でございますが、改正前の
個人情報保護法は、取り扱う個人情報が5,000人分以下の事業者に対しては適用されておりませんでしたが、本年5月の法の改正により、全ての事業者に対して
個人情報保護法が適用されることとなりました。この事業者には、企業だけでなく、自治会や同窓会等の非営利組織も含まれるとされております。区は、個人情報のことを調べたいと考える事業者等にとって情報収集の一助となるよう、区のホームページに国の関連サイトへのリンクを設けることによって情報提供に努めてまいりましたが、議員御指摘のとおり、
個人情報保護法の改正に伴い、法の適用の対象となる事業者や団体等は増加してございます。
新たに法の適用の対象となる自治会や同窓会が会員名簿をつくるときの注意事項につきましては、国の個人情報保護委員会がわかりやすい資料を作成しています。区内の団体や、これまで
個人情報保護法に余りなじみのなかった方からお尋ねのあった際にも、そのような資料を御紹介するなど、必要な情報へのアクセスや入手が適切に行われるよう、区として取り組んでまいりたいと考えております。
以上、お答えとさせていただきます。
○34番(
橋本欣一議員) それでは、再質問に移らさせていただきます。
まず1問目の公会計制度のほうですが、何が変わるかということで、この秋に公表される財務諸表ですが、固定資産の評価方法が変わるとのお答えがありました。これは、私は大きな改正点として受けとめてます。きょうも議運で、28年度分の普通会計決算、配付がありましたが、私が今話したいのは昨年の27年度の普通決算での
貸借対照表に載っていますこの固定資産、約1兆1,000億円、膨大な金額が目黒区の帳簿に載ってるんですね。これほどの有形、無形の固定資産が資産として計上されてるんですが、この膨大な資産がどのように評価されていくのかということは、私は非常に興味深く見守っているところなんですね。どのようになっていくのかをまず伺っておきたいです。
それから、今後の財務諸表の活用についてなんですが、具体策はこれから検討ということなんだと思いますけども、特に事業別の
行政コスト計算書がわかることに注目をしています。他区との比較も当然なんですけども、目黒区の事業ごとの比較も当然できる可能性がある。こんなに事業についてコストかかってるのかと、こういう把握もできるのかなと思っていますが、これらを活用するのにどんな課題があるのか伺います。
続いて、民泊についてなんですが、懸案事項、私も懸案してた内容を述べましたが、区側からも同じよう話がありまして、やっぱり防犯、ごみ、音の問題等だと思いますが、今後の方向性として、今お話では、良好な住環境を守っていくんだというところがありました。私も全く同感なんですが、それで伺おうと思ってたのは、区域を定めた日数制限条例の制定について、これは2質で私、やろうと思ってましたが、今お答えいただきました。明確には申し上げられませんということですが、恐らく今の話の中でも、これから9月に行われる上部団体からの情報を受けてですね、目黒区としても対応していくんだと思いますので、こちらは結構です。
それで、今の段階でも違法の民泊があるんですけども、この新法施行の前に、やっぱり実質的な対応をぜひ望みたいと思っています。特にマンションのような区分所有建物、これは壁1枚隔てて住民が共同で生活する性質上、
民泊施設となるとさまざまなトラブルが、先ほどあったようなトラブルが発生するということかと思います。区分所有建物は、区分所有法で管理組合を置いて管理規約を作成する義務があって、また、所有者、利用者もその規則に従うと、こういうふうになっているんですけども、先日の8月29日に国土交通省から、民泊に関する事柄を記した管理規約のモデルとして、マンション標準管理規約を改正して公表してくださいました。マンション内で民泊を可能にする場合の規約と禁止する場合の規約ということで、2種類想定して標準規約をつくったこともあって、これを区内のマンション管理組合宛てにもぜひ周知をしてもらいたいと思うんですね。そのような周知ができればなと思うんですけども、区側としての考えを伺いたいと思います。
やはり来年新法が施行される前に、今後施設が増加しますから、このマンションの管理規約はおおむね年度末ということであれば、来年の3月が年度末なんですよね。マンションによって違うかもしれませんが、その前までの管理組合での総会等でぜひ議決しなければ規約は変えられませんから、一刻も早く周知ができればお願いしたいと思います。伺います。
それから最後、
個人情報保護法ですが、区のほうでもですね、これまでも国のHPのリンクなんかの話もありましたけども、やっぱり直接的に区内の各種団体に通知を行うほうが私はいいんじゃないのかなと思います。行政によっては、対応マニュアルをつくったり、ホームページつくったりしてるところもあります。ですが、目黒区にこれまでもいろいろ、さまざまお世話になってきた善意の団体がですね、ちょっとしたことで法に触れているということでねじ込まれてしまう。昨今は小さなことでも、さまざまなSNS等で拡散されることもありますから、そういった団体がそのようなことにならないようにぜひしていただきたいと思いますので、通達や啓蒙について再度伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○
青木英二区長 それでは、まず、公会計については2問いただきました。
固定資産税については、今までは、いつ道路なんかが取得ができたことがわからない場合は、現在の価格で取得したときが計上されてたんですが、今回は1円ということで、僕らでいうと科目存置みたい形で、備忘価額1円という取り扱いが基準として定められております。今、私ども大体7,000億から8,000億ぐらいが道路、公園等で資産の大宗を占めていますので、当然ここに大きな影響が、これは間違いなく出てきます。今お話があったように、大体今1兆1,000億円のうち、大体7,000億から8,000億がここの話でありますので、相当大きな影響が出でくるんではないかということで、今精査中ということでございます。
2点目の事業別コスト計算書ですが、これは2つあろうかと思います。
1つは、私ども、予算科目、いわゆる行政コストとしてどのぐらいかかったかという予算科目と、それにかかわる人件費というのは別建てに計上されておりますので、それぞれの事業にどのぐらい人件費がかかったかということは、今の私どものシステムでいくとわかりません。一番事業で大事な人件費はどうかというのがわからないということですから、これを振り分けていくという作業が必要かと思います。なおかつ、予算科目は全部で1,000ぐらいありますので、それの振り分けというのは相当、私どもは大変かなという感じがしています。
それからもう一つは、大げさに言うと、明治以来、私ども国は、地方は、単年度の形式でやってきました。それが複式簿記に変わります。私も28歳で区議になって、途中お休みはありますけど、30年以上、単式簿記でやってきてますから、これは大きな、私どもとして課題ではないかなというふうに思います。
それから、民泊について、これも私、新聞報道を拝見をしておりました。標準管理規約は、大体8割ぐらいのマンションがこれを活用されているということです。簡単に言うと、区分所有で民泊をやるというか、やることができる内容はこうですよ、できない内容はこうですよというふうに非常にわかりやすく示されています。そういう点では、この周知というのは非常に大事だと思いますので、どういった形で周知ができるか、検討をしっかりとしていきたいというふうに思います。
それから大きな3点目ですが、
個人情報保護法に関してですけれども、御質問もいただいたように、今般の法改正で、5,000人以下が今まで適用外だったのが、今度はもう全て適用になるということですので、議員御指摘のように、特に私どもでいえば町会・自治会、住区、それから体育関係、さまざまに常に御協力をいただいている団体が全て網の目をかけられてしまって、知らない間に違法行為になってしまうということはあってはならないことであります。今、国としてわかりやすいマニュアルも出ていて、リンクを私どももホームページから張っておりますけれども、これは今御指摘のように、直接私どもが確実にそういった諸団体の方々に情報提供ができることが、これはリスクを回避する大事なことだと思いますので、どういった形でどういうふうに、例えば町会連合会はどうするのか、住区はどうするのか、体育関係団体はどうするか、個々またそれぞれ所管が担当しているわけでございますので、全庁的にまたばらばらでもいけませんので、そういったことを含めて、どういった形で
個人情報保護法が改正をされ、皆さんも対象になりますよ、リスク管理はしっかりやっていただければということを、しっかりと伝えていく方法をしっかりと検討していきたいと思います。
以上でございます。
○
佐藤昇議長 橋本欣一議員の一般質問を終わります。
次に、11番いいじま和代議員。
〔いいじま和代議員登壇〕
○11番(いいじま和代議員) 私は、公明党目黒区議団の一員として、「支え合う温かな目黒」を目指して、大きく3点7項目の質問をさせていただきます。
それでは、まず、大きな質問の1点目、自殺防止対策について伺います。
政府は本年7月25日、新たな自殺総合対策大綱を閣議決定いたしました。公明党の推進で2006年に成立した自殺対策基本法に基づき、2007年に策定された国の自殺対策の指針である大綱は5年ごとに見直しが行われ、今回で2回目となります。
年間の自殺者数は7年間連続で減少しており、2007年の初の大綱で掲げた10年で20%減の目標は達成いたしました。それでも、2016年には2万1,897人に達するなど、多くのとうとい命が失われています。1人の命が失われることの重さは言うまでもなく、家族や周りの人の悲しみや生活上の影響もはかり知れないものがあり、新大綱では、非常事態はいまだ続いていると警鐘を鳴らしております。
新大綱は、「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す」との基本理念を掲げました。そして我が国は、主要先進国7カ国の中で最も高い自殺死亡率を、今後10年間で30%以上減少させると目標が掲げられ、地域での実践的な取り組みに重点が置かれました。
深刻なのは若い世代で、自殺対策白書によると、15歳から39歳までの死因の第1位を自殺が占めることから、公明党は若者層への対策強化を訴えました。その結果、子ども・若者の自殺対策のさらなる推進が、新たに重点施策に位置づけられました。具体的には、24時間の全国統一ダイヤルなどの子どものいじめ相談体制の充実や、学校現場で困難やストレスへの対処方法を身につけるSOSの出し方教育を進め、公明党が提案したSNS活用も盛り込まれました。今後、都道府県と市区町村は地域自殺対策計画の策定を行うことになりますが、目黒区における自殺の現状と自殺防止対策について伺います。
1、目黒区における自殺者の性別、年齢と推移を伺います。
2、平成24年第2回の定例会にて自殺防止対策について質問をし、区の職員全員が命を守るゲートキーパー養成研修をすべきであると訴えました。そして、ゲートキーパー養成研修テキスト「ゲートキーパー手帳」を作成いただき、研修を行っていますが、現在、職員の養成研修はどこまで推進できたか伺います。
次に、大きな質問の2点目、医療的ケア児の支援について伺います。
医療技術の進歩等を背景として、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸や胃ろうを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障害児は、10年前の約2倍に増加をしています。医療的ケア児を抱える家庭の負担は大きく、厚生労働省が2015年に行った調査によると、医療的ケア児を主に介護するのは、母親が90%と圧倒的に多く、医療的ケアの内容では、胃ろうなどの経管栄養は7割が、たんの吸引は6割が行っていました。負担に感じるものを聞いたところ、介護、見守り等の時間的拘束が76%と最多。学校へ通うときの介護、医療的ケアの実施が続きました。介護する人の睡眠は、夜中に何度も起き、断続的にとっているため、睡眠での充実感がある人は4割にとどまりました。介護する人のうち、収入のある仕事をしていない割合は7割で、うち半数近くが就労を希望していました。そこで、目黒区の医療的ケア児の支援についてお伺いします。
1、平成30年に目黒区障害者計画が改定されますが、目黒区における医療的ケア児の支援の現状と今後の施策の基本的方向性について伺います。
2、重度肢体不自由及び医療的ケアの方に日常生活の援助や集団生活の場を提供する生活介護は、目黒区心身障害者センターあいアイ館で行われています。しかし、18歳以上64歳以下の方が対象者となっているために、目黒区には義務教育を卒業した医療的ケア児の日中活動ができる場が現在ありません。そこで、あいアイ館における生活介護の対象年齢範囲を義務教育卒業後からにできないか伺います。
2016年厚生労働省の調査では、介護労働者の平均賃金は22万8,000円で、全産業平均賃金の約10万円も下回る低い水準です。国は、介護職員の報酬改定を行ったと言いますが、全労連の実態調査では、介護職員は、月収が「変わらない」が48.3%、むしろ給与が「下がった」は5.7%です。低賃金は、労働内容の厳しさとともに職員不足を加速させています。介護事業者は、将来介護職員がいなくなるのではないかと懸念しています。介護職員の労働環境を少しでも改善するために、民間特養ホームに対する家賃補助を特養ホーム以外の福祉施設にも拡大し、事業者に丁寧な周知を行うべきだと思いますが、伺います。
6点目は、地域包括支援センターの体制を拡充することについてです。
日本共産党区議団は、区民の最も身近な場所で地域ケアの公的役割を担っている地域包括支援センターについては、現在の5カ所を10カ所に増設し、より区民に寄り添うためには、1カ所は直営で行うことを提案してきました。今後さらに地域包括支援センターの役割が大きくなろうとしていますが、体制強化に向け、2点質問します。
1つは、各地域包括支援センターには保健師、看護師、社会福祉士や主任ケアマネジャーなど、有資格者の職員が12名から15名配置されています。機能を強化し、新たな課題に対応するためには職員の増員をすべきだと思いますが、伺います。
2つは、地域の隅々まできめ細かな対応をするには、5つの包括支援センターでは足りません。福祉計画改定の答申案にも示されているブランチ(支所)を早急に設置すべきだと思いますが、伺います。
第3は、就学援助を拡大することについてです。
子どもの貧困は、大きな社会問題です。経済的な援助による子育て支援の充実が求められています。就学援助は、経済的に困難な家庭に対し、学用品や給食費、入学準備金などを援助する制度です。
ところが、入学準備金は、必要とする入学前には支給されず、入学後となっています。また、準備金の額は実態と乖離している状況の中で、中学生は現在目黒区では、2万6,000円です。こうした問題が指摘される中で、文部科学省は、就学援助を必要としている時期に速やかな支援が行えるようにと、交付要綱の一部を改正し、これまで児童・生徒としてきた入学準備金の交付対象に就学予定者を追加しました。これによって、中学校の入学前のみならず、小学校の入学前にも就学援助を支給することができるようになりました。
中学校の準備金の前倒しについては、23区では板橋、世田谷、港、新宿、文京、豊島の6区が既に実施し、さらに5区が実施予定です。小学校の前倒しについても、あきる野市が導入する予定です。入学準備金の単価については、既に文科省の通知では、小学生4万600円、中学生4万7,000円と、前年度比で倍増しています。早急に入学準備金の前倒しに取り組み、実態と乖離する準備金については、額を引き上げるべきだと思いますが、伺います。
以上で私の壇上からの一般質問を終わります。(拍手)
○
佐藤昇議長 それでは、議事の都合により暫時休憩いたします。
〇午後2時53分休憩
〇午後3時10分開議
○
佐藤昇議長 それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。
区長の答弁からお願いします。
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 石川議員の3点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
なお、第3点目につきましては
教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。
まず第1点目、平和憲法を守り、核兵器のない世界実現に向けての第1問、目黒区から憲法9条改憲やめよとの声をについてでございますが、本区におきましては、戦後40年を迎えた昭和60年5月に平和都市宣言を制定し、平和憲法を擁護し、核兵器のない平和都市であることを宣言しております。また、憲法99条におきましては、「公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と定められているところでございまして、憲法を擁護するとともに、さきの戦争における悲惨な歴史を風化させることなく、いつまでも記憶にとどめ、次の世代に受け継ぎ生かしていくことが、区長としての私に課せられた使命であると認識しております。
お尋ねの安倍首相の改憲発言に対する認識についてでございますが、報道によれば、御指摘のメッセージについては、自由民主党総裁として寄せたものであるとのことであり、憲法改正については、憲法第96条に定められているとおり、国会における決議のみならず、国民への提案とその承認の手続を必要とする旨が規定されており、法の定めにのっとり、国において手続が進められるべきものであると理解しております。このため、国に対して、憲法9条の改憲やめよとの意見表明をすることは、
地方公共団体の首長として、その立場にはないものと考えております。
(発言する者あり)
○
青木英二区長 次の第2問、国連会議で採択された核兵器禁止条約を広げるためにのア、平和都市宣言を掲げ、日本非核宣言自治体協議会、平和首長会議に加盟している区として、国の態度に抗議の声を上げるべきだと思うがどうかについてでございますが、本区におきましては、昭和60年5月3日に平和都市宣言を行った後、日本非核宣言自治体協議会に加盟するほか、さまざまな平和記念事業にこれまで取り組んでまいりました。また、平成22年5月には平和首長会議にも加盟をし、核兵器禁止条約の実現に向けた市民署名活動について区ホームページにおいて案内し、協力するといった活動などを行っております。
核兵器禁止条約に関しましては、本年7月7日、ニューヨークの国連本部で開かれた条約交渉会議で採択されており、9月20日から各国の署名手続が始まることとなっております。批准国数が50カ国に達した後、90日を経て発効することとなりますが、お尋ねにもあるように、日本政府は3月の交渉会議で5つの核保有国などと歩調を合わせて、参加を見合わせております。
そういった状況の中で、平和首長会議におきましては、核兵器禁止条約の早期実現に向けた取り組みの推進を日本政府に要請しているほか、核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議の内容について発信するなどの対応を図っております。
本区といたしましては、現在行っております平和首長会議の活動に協力をしつつ、引き続き平和都市宣言を踏まえた平和記念事業の実施を通じて、平和に対する区民の意識を高め、平和を築き守る取り組みを推進することで、核兵器のない平和都市であることを訴えてまいりたいと考えております。
次に、イ、夏に取り組んでいる巡回写真展などの機会に、採択された核兵器禁止条約の内容を知らせる展示等に取り組むべきだと思うがどうかについてでございますが、本区におきましては、平和記念事業の一環といたしまして、毎年8月初旬から中旬にかけて、総合庁舎の西口ロビーの展示スペース及び休憩コーナーを活用し、広島・長崎の被爆写真、学童疎開の写真、区内在住、在学の小・中学生による平和祈念標語、広島市へ派遣した平和の特派員による前年度の体験報告などを展示する平和祈念写真展を実施しております。
また、広く区民の皆様に戦争の悲惨さを訴えていくために、北部地区、中央地区、南部地区、西部地区の施設を8月末まで巡回する形で、お尋ねの地区巡回写真展を開催しております。各施設とも限られた展示スペースの中で、できる限り印象に残るような展示を心がけており、400点を超える区の所有資料と東京都から借用した写真パネルなどの中から選定をし、ごらんいただいているところでございます。子どもたちから高齢者まで、なるべく多くの方々に視覚に訴える必要があることと、施設面での制約があることなどを踏まえ、所有資料等を十分に活用して、現在行っている形での展示を継続してまいりたいと考えております。
次に、第3問、平和の特派員の経験を多くの子どもたちに伝えるために、についてでございますが、本区におきましては、21世紀を担う小・中学生を広島市に派遣をし、戦争の悲惨さ、核兵器の恐ろしさ、平和のとうとさについて考え、学ぶ機会を提供することで、派遣する小・中学生の啓発を図ることを目的としまして、平成2年度から平和の特派員の派遣事業を継続して実施しております。
本年度につきましては、区内に在住する小学校6年生から中学3年生までの24名の平和の特派員が2泊3日の日程で広島市へ赴き、平和記念式典への参列を初め、原爆被爆者との懇談や広島市民に直接インタビューを行うなど、熱心な活動を行ってまいりました。
平和の特派員は、全ての学校から派遣をすべきではないかとのお尋ねでございますが、平和の特派員につきましては、あくまでも本人の意思で派遣を希望する小・中学生の中から、男女比を考慮しながら抽せんにより決定をしており、各学校に割り当てるような方式を採用する考えはございません。
また、平和の特派員によるレポート集を全ての小・中学生に配布すべきではないかとのお尋ねでございますが、毎年区立小・中学校については、クラス単位で2部を基本に配布させていただいておりますが、あくまでも区の事業として行っていることから、その活用方法については、各学校にお任せしている状況でございまして、現状での対応を継続させていただきたいと考えております。
次に、第2点目、高齢者が安心して介護を受けられるために、についての第1問、介護保険のさらなる改悪やめよについてでございますが、地域包括ケアシステムを強化するための介護保険法等の一部を改正する法律が、本年5月26日に成立し、6月2日に公布されました。法改正の趣旨は、高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の実現を図るとともに、制度の持続可能性を確保することに配慮し、サービスを必要とする方に必要なサービスが提供されるようにすることでございます。
今回の改正では、利用者負担割合の見直しが行われ、現行の2割負担者のうち、特に所得の高い層に3割の御負担をお願いするものでございます。世代間、世代内の公平性を確保しつつ、制度の維持可能性を高める観点から行われるこの見直しは、今後、介護サービスの需要が高まると見込まれる中で、介護保険制度とそれに基づくサービスを維持し、安定的に供給し続けるために必要であると認識しております。
また、全区市町村が保険者機能を発揮して、自立支援と要介護状態の重度化防止に取り組むよう、データに基づく課題分析と対応、適切な指標による実績評価を行うとともに、国がインセンティブの付与を行うこととされました。保険者が地域の課題を分析して、高齢者がその有する能力に応じた自立した生活を送れるよう取り組みを進めることは、必要なことだと考えます。
本区では、このような法改正を基本に、区民の介護ニーズや生活の状況を踏まえて、30年度からの第7期介護保険事業計画を改定してまいりますので、法改正の実施をやめるよう国に対して声を上げることは考えておりません。
次に、第2問、2015年改定後の実態調査を改めて実施することについてでございますが、高齢者及び介護事業者の実情や意向を把握し、第7期介護保険事業計画等策定の資料とするため、平成28年度に実態調査を実施しております。この調査は、65歳以上の高齢者全員を対象に実施したもので、要介護1から5の認定を受けている方に対する要介護者調査と、それ以外の方に対する介護予防・日常生活圏域ニーズ調査をそれぞれ行いました。調査の内容は、平成27年度の制度改正の影響についても触れ、御本人の心身や生活の状況、介護保険サービスや制度に関する御意向など多岐にわたるものでございまして、あわせて介護されている御家族の状況についても詳しくお尋ねをいたしました。同様に、介護サービスを提供している区内の269の事業所にも介護人材確保やサービス提供上の課題などについて、制度改正の影響も含めて調査を実施しております。これらの調査結果は、介護保険と高齢者福祉に関するアンケート調査報告書として取りまとめ、広く公表いたしております。
このように、全ての65歳以上の高齢者と区内事業者に対して丁寧な実態調査を行っておりますので、この結果を次期介護保険事業計画の策定などに十分に活用していく考えでございます。したがいまして、改めて調査を行う考えはございません。
次に、第3問、介護保険料の引き下げに関する御質問でございますが、介護保険料は、3年を1期とする事業運営期間において要する費用の見込み量を算定し、保険料の基準額を設定して、各被保険者の所得に応じた保険料率を設定するものです。現在の第6期、平成27年度から29年度における介護保険料について、本区では、本人の所得や世帯の状況に応じて保険料率を設定する所得段階を、国が定める参酌基準以上に細かく、15段階に区分することで、所得の低い方の負担が大きくならないように配慮しております。あわせて区独自の取り組みとして、一定の要件に該当する生活困窮世帯等については、申請により保険料を本来額の約半額に減額する施策も実施しております。
次の第7期、平成30年度から32年度までにおける介護保険料につきましては、算定の基礎となる事業計画の検討を現在行っているところでございますが、高齢化のさらなる進展に伴う給付費の拡大や介護サービス基盤の整備など、保険料上昇の要因と見込まれるものが幾つかございます。
一方で、議員御指摘の介護給付費等準備基金につきましては、計画期間の費用に充てるために予算で額を定めて積み立てるものでございまして、その期間終了時の余剰金につきましては、次期計画期間に歳入として繰り入れ、保険料上昇の抑制等、適正に活用することが妥当であると考えております。こうした点を踏まえ、また、アンケート結果などにより把握した
区民ニーズや今般の制度改正及び社会状況の変化による影響も含めて、総合的な観点に立ち、次期計画を策定してまいります。その上で低所得の方への配慮も含め、適正な保険料を検討してまいりたいと存じます。
次に、第4問、外出を援助する区独自のヘルパー派遣を行うべきについてでございますが、本区におきましては、従来の介護保険制度では対応ができない補完的なサービスとして、区独自のヘルパーを派遣する高齢者在宅支援ヘルパー派遣事業を実施しております。具体的には、ひとり暮らし等の高齢者で介護保険の認定を受けている方に対して、介護保険の給付対象外である銭湯介助や理美容室介助のためにヘルパーを派遣しているほか、緊急一時対応や生活環境改善などが必要な方にもヘルパーを派遣して、在宅で自立した生活が続けられるよう支援しているものでございます。本年3月からは、病院内の待ち時間等の介助についても、この在宅支援ヘルパー派遣事業の支援サービスに加えて、利用額の一部を助成しております。
議員御指摘の外出の援助につきましては、介護保険の訪問介護による外出介助の範囲が通院や日常の買い物等、利用者の日常生活上必要性が認められる範囲に限定されており、地域の行事への参加などは、原則として対象となりません。しかしながら、身体機能が低下をし、鬱や認知症により閉じこもり傾向にある高齢者の方が、散歩や近隣施設などへ外出することは自立の促進につながりますので、事業の拡充について検討してまいりたいと存じます。
次に、第5問、介護労働者の労働条件を引き上げるため、宿舎借り上げ補助事業の対象を民間特養ホーム以外の福祉施設にも拡大すべきについてでございますが、介護・福祉サービスに対する需要の増大、多様化が見込まれるとともに、利用者本位の質の高いサービスの提供が求められる中、サービスの根幹となる介護・福祉人材の確保・定着・育成は、ますます重要な課題となっています。本区におきましては、特に民間特別養護老人ホームにおける介護職員の人材確保が厳しい状況にあることから、平成28年度から運営事業者に対する介護職員宿舎借り上げ補助や研修参加に伴う代替職員確保支援補助、介護人材採用相談会を実施するなどの取り組みを行い、人材の確保・定着に努めているところでございます。
議員お尋ねの介護職員宿舎借り上げ補助事業は、区内の民間特別養護老人ホームを運営する事業者が、新規採用及び採用後5年以内の常勤の介護職員が居住する住宅を借り上げる場合に、事業者が負担する住宅の家賃を1戸当たり上限月額5万円まで補助するものでございます。施設からおおむね平均4キロメートル以内に住宅を確保することにより、介護人材の確保・定着を図るとともに、災害緊急時の対応を強化することも目的としております。
介護人材の確保・定着につきましては、介護・福祉職場で働く人が生き生きと働き続けることができるよう、職員が長く働きやすい環境をつくることが必要です。そのことがサービス利用者にとっても、よりよいサービスを安心して受けることにつながります。したがいまして、宿舎借り上げ補助事業の成果等を踏まえ、対象拡大の検討及び事業者への周知をさらに図ってまいりたいと考えております。区といたしましては、団塊の世代が後期高齢者になる2025年を見据えて、第7期介護保険事業計画を策定し、介護・福祉人材の確保・定着・育成に取り組んでまいる所存です。
次に、第6問、地域包括支援センターの体制拡充についてのア、地域包括支援センターの機能を強化するために職員の増員をすべきについてでございますが、現在、地域包括支援センターの職員は、平成27年度に制定した目黒区地域包括支援センターにおける包括的支援事業の実施に係る人員等の基準を定める条例等に基づき、配置しているところでございます。本区では、包括支援センターに介護保険法で定める専門職である保健師または看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員をそれぞれ複数配置しておりまして、きめ細かな相談支援を行っております。職員数は、現行の業務内容に見合った適正な配置であると認識してございます。
本年6月には、地域福祉審議会から提出された中間のまとめの中で、働きながら在宅療養生活を支える家族や、仕事と介護の両立の不安や悩みを持つ就業者に対する相談支援の充実、強化を目的として、地域包括支援センターの休日開設及び夜間の時間延長について検討していくことが求められると示されました。区では、6月から7月にかけて地域包括支援センターの開設時間の延長を試行的に実施し、現在その検証を行っているところでございます。今後の審議会答申や包括支援センターの機能強化に向けた国の方針等も踏まえ、今年度末の保健医療福祉計画の改定に向けて、具体的な検討をしてまいりたいと存じます。その過程においては、事業を円滑に遂行するための適切な人員確保など、職員体制についての検討も必要になると認識をしております。
次に、イ、地域のきめ細やかな課題に対応するためのブランチ(支所)を早急に設置すべきについてでございますが、地域包括支援センターは、平成18年度に区内の5地区にそれぞれ設置されていた保健福祉サービス事務所に併設する形でスタートし、平成21年度には保健福祉サービス事務所の業務を統合して、高齢者のみならず、全ての区民を対象とした地域包括ケアシステムの拠点と位置づけ、現在に至っているところでございます。こうした経緯から、本区の地域包括支援センターは、第二次生活圏域である地区に1カ所ずつ設置しており、対象とする高齢者人口が他区と比較して多い状況にあります。しかしながら、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員を複数配置して運営しておりますので、そういったスケールメリットを生かして、緊急時の迅速な対応や円滑な連携調整がなされるとともに、職員の専門知識や技術が着実に継承されております。このような充実した運営体制によるきめ細やかな相談支援を行い、地域のネットワークの構築にも積極的に取り組んでいるところでございます。
6月に地域福祉審議会から中間のまとめが提出され、その中で、多様化、複雑化する支援ニーズに対応するため、対象を限定しない総合的な相談支援が求められる中、地域包括支援センターが今後担っていく役割を考えると、ブランチ(支所)等の設置を検討する必要があるとの御意見をいただきました。ブランチの設置は、利用者の利便性の向上とともに、より身近な地域できめ細やかな支援が受けられるという利点がございます。今後の地域福祉審議会の答申や国が示す方向性も踏まえ、今年度末の保健医療福祉計画の改定に向けて、場所の確保や財政上の負担なども考慮しながら検討してまいりたいと存じます。
以上、お答えとさせていただきます。
〔尾﨑富雄教育長登壇〕
○尾﨑富雄教育長 石川議員の第3点目、就学援助の拡充につきましては
教育委員会所管事項でございますので、私からお答えさせていただきます。
まず、議員御質疑の文部科学省の要綱改正につきましては、平成29年3月31日付で、平成29年度要保護児童生徒援助費補助金についての通知を受けてございます。改正内容は、要保護世帯を対象とした小学校入学前支給と基準単価及び補助額の引き上げでございますが、この内容の取り組みにつきましては、本区においては従前から実施してきたところでございます。
次に、お尋ねの準要保護世帯に対する入学支度金費の支給額につきましては、現在、特別区のおおむねの区において、本区と同様に都区財政調整制度の基準額を適用しているところであり、適正であると考えております。また、入学支度金費の入学前支給につきましては、例えば支給後に他区に転出し、重複しての支給となったり、入学後に御家庭の収入等が変わり、就学援助の支給対象ではなくなるなど、認定状況に変化が生じた場合、後に精算をどのように行うかなど、解決すべき課題があるとの認識に変わりはございません。
なお、今後も各区の実施状況や検討状況等につきまして、引き続き解決すべき課題にかかわる調査、研究を進めてまいりたいと存じております。
以上、お答えとさせていただきます。
○18番(石川恭子議員) 時間が少ないので、限られた再質を行っていきます。
就学援助についてです。
文科省も、前倒しをしなさいということで要綱も改正して、そして他区では、先ほども述べましたが、既に5区が行って、来年には千代田、荒川、北、足立区、葛飾区が実施します。合わせて11区、そしてさらに3区が検討しています。他区の状況、他区の状況と、いつも答弁されていらっしゃるんですけども、既に23区のうち過半数以上が前向きな取り組みとなっています。文科省でも指摘されているこのことをなぜ目黒区は、子育て支援、貧困問題が言われている中で、なぜ取り組みをすることができないんでしょうか。
多くの財政的負担がかかるわけではありません。そして事務的な手続、先ほど教育長、言いましたが、ほかの自治体は、そんな事務手続も解決してやっているんです。大した問題ではないよと、実施している自治体は言っています。これは、子育て支援に対する姿勢が私は問われている問題だと思うんですが、その点について伺います。
そして、介護保険料についてですが、本当に介護保険料、どんどん、どんどん値上げされています。当初、介護保険が導入されたときに、1期の保険料は3,325円、ところが現在5,780円で、1.73倍になっています。年金が下げられている中で、本当に大変です。かつて介護保険料を決めるときに、基金を活用し、一月20円引き下げることができました。区長の答弁でも、基金を活用するということをおっしゃっているので、できる限り、本当に保険料を引き下げるという立場で検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
以上2点です。
○
青木英二区長 私ども、介護保険料の決定について、特に私ども保険料については、今までもですね、例えば低所得者の皆さんのために、国としては9の刻みを15にして低所得者対策をしてございますし、それから例えば区独自で、一定の要件であれば保険料の減額も行っているところでございます。私ども過日行った調査の中でもですね、例えば介護保険を実際に受けていらっしゃる方でいうと、介護保険料については、「高い」が28.2%、「妥当である」が32.3%、利用されている方がそういうことも言っていますから、全てが高いと言っているわけではないということを改めてこの場で申し上げておきたいと思います。
私ども、もちろん適正な保険料、これは第1号被保険者の方、それから現役の第2号被保険者、現役の方々の保険料もこの中に入っているわけですから、適時適切な対応が必要でございますから、これは抑制を、抑えていくための基金でございますから、適時適切にその基金の活用も踏まえて、適正な保険料の算出を行っていきたいというのが区長の立場でございます。
以上です。
○尾﨑富雄教育長 それでは、就学援助に関します再度のお尋ねでございますけども、まず、文科省のほうの要綱改正の通知につきましては、これは要保護世帯ですので、生活保護世帯を意味しているわけでございます。したがって、この取り組みはこれまでどおり実施してきたところであります。
それから、私ども29年8月現在の支給の状況でございますけども、少なくとも小学校におきましては、この法に外にありますので、29年8月現在で小学校について取り組みをしている区はないというふうに認識をしております。
以上です。
○
佐藤昇議長 石川恭子議員の一般質問を終わります。
次に、7番西崎つばさ議員。
〔西崎つばさ議員登壇〕
○7番(西崎つばさ議員) 私は、民進党目黒区議団の一員として、通告に基づき、2点3問質問いたします。
まず、官民データ活用推進基本法への対応について伺います。
平成28年、昨年ですね、12月、官民データ活用推進基本法が成立、施行しました。官民データの活用を推進することで、国民の安全・安心な暮らしや快適な生活環境の実現を目的とするものであり、この法律の条文の中に、IoTやクラウド、そしてまた、私が予算の総括でも触れました人工知能、いわゆるAI、これを法の中で定義したという画期的な法律であります。
この中の第5条では、一部少し省略をいたしますけれども、「
地方公共団体は、官民データ活用の推進に関し、経済的条件等に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とあります。また、9条3項では、官民データ活用推進基本計画を策定する努力義務、こちらは努力義務でありますが、課せられているところであります。
本区におきましては、同法成立の9カ月前に当たります平成28年の3月に、情報化推進計画、これを改定をしており、その中に関連する事業というものも見られるわけでありますけれども、同法に対してこれまでの本区の取り組みをどう整理し、そしてまた、今後どのような方針で対応していくのか伺います。
次に、オープンデータについて伺います。
オープンデータについては、かねてから社会的に取り組みの重要性が叫ばれてきたところではありますけれども、官民データ活用推進基本法では11条におきまして、「国及び
地方公共団体は、自らが保有する官民データについて、個人及び法人の権利利益、国の安全等が害されることのないようにしつつ、国民が
インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて容易に利用できるよう、必要な措置を講ずるものとする」としています。これも義務となっているわけであります。
先ほど触れました区の情報化推進計画でも、施策としてオープンデータの推進、これが明示をされているわけでありますが、計画期間である平成28年度から32年度まで、これ丸々くくって「検討・導入準備・実施」と、かなりざっくりしているところであります。少なくとも現在のところ、まだ目黒区としての取り組みが見当たらないわけでありますが、進捗状況を伺います。
次に、
住宅宿泊事業法について伺います。
先ほども他の議員から質問のあったところでありますが、いわゆる民泊ということでございます。今回、きょうだけでも2人目ということでありますので、それだけ今、区民の関心が高まっており、そしてまた、区議会の関心も高まっているということをまず御認識をいただきたいと思っております。
さらに申し上げれば、実は今、私の自宅の目の前が民泊の物件でありまして、先ほどの議員の言葉をかりるならば、大手のA社のサイト、これに掲載をされている。オーナーは外国の方であるようでありますけれども、当然、目の前が戸建ての民泊物件ということでありますので、通常は外国人の方の出入りが多いように見受けられますが、特にこの前のお盆の時期、このあたりになりますと、もう日がわりで日本人の方がかわるがわる宿泊をされていたと。よく言われるような騒音もそうですし、ごみの問題もそうですし、深夜の来訪もそうです。物件前への違法駐車、こういったこともありました。そしてまた、どういう経緯かわかりませんけれども、いわゆるダブルブッキングがあったようでありまして、深夜にもめているという、そういう姿も目にしていたわけであります。
そういうことで、一住民としても少し迷惑な物件だなという印象を持っているわけでありますが、そうは言いましても、先ほどの議論でもありました法18条に基づく条例による制限、これにつきましては、政令で定める基準が明示をされていない中で対応する、また、方針を固めるというのは困難であるということは理解できるわけであります。新聞報道では、あすですね、国の説明会があると聞いておりますけれども、ぜひ担当者の方に情報をとっていただくとともに、国の対応の遅さを糾弾をしてほしいと思っているところでありますけれども、それはさておきまして、現在でも区民の意見を聞くということは可能であると考えます。先ほど申し上げましたが、民泊に対する苦情というものは、騒音、ごみ問題、防犯上の問題など多岐にわたると考えられますが、少なくとも本区の生活衛生の所管に対する苦情件数、2015年度では22件だったものが、昨年度ですね、2016年度には96件で、今年度は7月末までの時点でありますけれど27件ということで、同じぐらいのペースで推移をしているということであります。
一方で、民泊を始めたいという、そういった相談もあるとのことで、昨年度で78件、今年度は同じく7月末でありますけれども44件と、相談のほうが多いという状況でございます。こうした数字が出ている中、区は、民泊について区民の意向をどう把握をしているのか伺います。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 西崎議員の2点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず第1点目、官民データ活用推進基本法への対応についての第1問、本区のこれまでの対応と今後の方針でございますが、この法律は、国を挙げて官民のデータ利活用のための環境を総合的かつ効果的に整備するため、平成28年12月に施行されたものでございます。
官民データと申しますのは、法律では、「電磁的記録に記録された情報であって、国もしくは
地方公共団体または独立行政法人もしくはその他の事業者により、その事務または事業の遂行に当たり管理され、利用され、または提供されるもの」とされておりまして、自治体が保有するデータも含まれております。
この法律が制定された背景には、近年、ネットワーク基盤の整備や
スマートフォンなどの普及により、多種多様かつ大量なデータが社会に流通するようになり、このデータを積極的に活用することで、さまざまな社会課題の解決が図られる可能性が高まっていることがあります。さらに、人工知能、いわゆるAIや、さまざまなものが
インターネットでつながるIoTの仕組みを活用することにより、個人の状態に応じた効果的、効率的で品質の高いサービスの実現も期待されているところです。
この法律の基本理念として、個人及び法人の権利利益を保護しつつ情報の円滑な流通の確保を図ること、自立的で個性豊かな地域社会の形成、新たな事業の創出及び国際競争力の強化などを図ることにより、活力ある日本社会の実現に寄与すること、そして官民データ活用により得られた情報を根拠とする施策の企画、立案により効果的かつ効率的な行政の推進に資することなどを掲げております。
国では、この法律の規定に基づき、官民データ活用の推進に関する基本的な計画として、世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画を本年5月に策定しました。この計画では、我が国が超少子高齢社会になりつつある中、集中的に対応すべき経済再生・財政健全化、地域活性化、安全・安心の確保などの諸課題を踏まえ、電子行政、健康・医療・介護、観光、防災など8つの分野を重点分野に指定し、将来的にはそれぞれの分野を横断するデータ連携を見据えつつ、分野ごとに重点的に講ずべき施策を推進し、最終的には全ての国民が真に豊かさを実感できる社会を世界に先駆けて構築することとされています。
この法律や国の基本計画に基づき、
地方公共団体において官民データ活用推進計画を策定することとされており、特に都道府県については、その策定が義務づけられているところでございます。各
地方公共団体は、この計画に基づき、情報通信の技術を活用した行政手続のオンライン化、官民データの容易に利用できるオープンデータの推進、個人番号カードの普及及び活用に係る取り組み、情報通信技術を使いこなせない人にも利用の機会を提供する取り組み、業務の見直しや情報システムの改革による行政運営の効率化など、官民データの利用環境の整備促進を図り、事務負担の軽減、地域課題の解決、住民及び事業者の利便性向上などに寄与することが求められています。
市町村が官民データ活用推進計画を策定するに当たっては、こうした内容を盛り込んだ情報化推進計画等を活用する施策も示されております。本区におきましては、官民データ活用推進基本法の施行前の昨年3月に、平成28年度からの5カ年間の計画である目黒区情報化推進計画を策定し、施策を推進しているところであり、基本理念の一つに「ICTを活用した区民サービスの向上」を掲げ、区民の生活がより豊かになるよう区民サービスの向上を図るため、生活関連情報の提供、マイナンバー制度を積極的に利用した区民サービスの提供、ICTを活用するための環境整備などの取り組みを定めています。計画に記載の事業は、おおむね官民データ活用推進基本法の目的にかなっているものであると考えております。今後も、国や東京都の動向を注意深く見守りながら、目黒区情報化推進計画に掲げられた施策を着実に推進し、区民サービスの向上と区の業務の簡素化、効率化に努めてまいる所存でございます。
次に、第2問、オープンデータに対する本区の取り組みについてでございますが、オープンデータとは、情報が、国民や企業等が利活用しやすいように、機械判読に適した形式で二次利用可能なルールのもとで公開されていくことでございます。
初めに、オープンデータ推進の経緯につきましては、概要を簡単に御説明いたします。
政府は平成22年に、新たな情報通信技術戦略の中で、国民本位の電子行政の実現に向けて、個人情報の保護に配慮した上で、二次利用可能な形で行政情報を公開し、原則として全て
インターネットで容易に入手することを可能とし、国民がオープンガバメントを実感できるようにするという目標を設定しました。オープンガバメントとは、
インターネットを活用し政府を国民に開かれたものとしていく取り組みのことでございます。
その後、平成24年の
電子行政オープンデータ戦略や、平成25年の世界最先端IT国家創造宣言などに基づき、独立行政法人等と連携したオープンデータの取り組みが進められております。平成28年には官民データ活用推進基本法が施行され、平成29年にはオープンデータ基本指針が策定され、「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画について」が閣議決定されました。
一方、自治体におきましては、平成27年には、政府が作成した「
地方公共団体オープンデータ推進ガイドライン」や、「オープンデータをはじめよう~
地方公共団体のための最初の手引書~」に基づき、検討や取り組み等が全国各地で進められている状況でございます。ガイドラインは、公共データについて国民共有の財産であることから、新たな価値を生み出す上で、国民や企業等が利用しやすいように機械判読に適した形式で、二次利用可能なルールのもとで公開されていくことが求められているとしております。また、オープンデータにより期待されることとして、新事業の創出、公共サービスの向上、行政の透明性の確保等を掲げております。また、手引書では、自治体にとってのオープンデータの意義として、地域課題の解決、行政の効率化、官民協働の促進の3点が掲げられているほか、それぞれの自治体の状況に合わせて、無理なくスタートすることが大事であるとされています。
特別区の状況でございますが、現在、23区中14区が何らかの形でオープンデータを実施しております。公開されているデータの形式でございますが、二次利用が容易なCSVというデータ形式のほか、特定のソフトウエアを必要とするエクセルの形式、機械判読が可能なPDFの形式等、さまざまな形式がございます。また、公開されている内容は、人口、統計、施設の位置情報等がございまして、データ形式も情報の種類や分量も区ごとに異なる状況でございます。これは、自治体のオープンデータには標準的な基準というものが今のところなく、各自治体が可能な範囲及び手法での取り組みを始めていることによると思われます。最初のうち、限定した機能やサービスで小規模に展開し、その後のニーズの高まりに従って事業の規模を順次拡大していく手法をスモールスタートといいますが、オープンデータの導入に当たっては、このような柔軟な考え方も重要となります。
目黒区におきまして、平成27年度に改定した情報化推進計画の中でオープンデータの推進を掲げ、平成32年度までにオープンデータの検討・導入準備・実施を行うこととしております。現在、区では公式ホームページで行政情報を広く公開しておりますが、二次利用のための規定を設けていないため、公開された情報であっても、オープンデータとは言えない状況でございます。このため、区は昨年度、オープンデータ推進検討会という庁内組織を設置し、オープンデータの取り組みを推進する際の基本的な考え方や取り組みの方向性を示す推進指針及びオープンデータの利用に際し、利用者が遵守すべき事項を定める利用規約を検討するとともに、公開するデータの精査も行っているところでございます。
なお、自治体が最低限公開することが望ましいデータの種類と形式、いわゆるミニマムデータセットにつきましては、国が標準的な例を今後提示する予定であることから、国や東京都の動向を把握する必要がございます。地域の課題を解決するためには、住民や民間企業と連携して取り組む視点が必要であり、中長期的には行政事務の効率化につながることも少なくない点を踏まえ、区としてオープンデータを推進する必要があると考えております。このため、引き続き検討を行い、オープンデータの推進に向けて全庁的に取り組んでまいります。
次に、第2点目、
住宅宿泊事業法への対応について、民泊に対する区民の意向をどのように把握しているかについてでございますが、本年6月に
住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が成立しました。この法律は、ここ数年、住宅を活用して宿泊サービスを提供する、いわゆる民泊が各国で展開され、日本においても急速に普及していることや、急増する訪日外国人観光客のニーズや大都市部における宿泊需給の逼迫状況に的確に対応するため、民泊サービスの活用を図ることが重要とした上で、この民泊サービスの活用に当たっては、公衆衛生の確保や地域の住民とのトラブル防止に留意したルールづくりや、無許可で旅館業を営む違法民泊への対応が急務とされたことを背景に制定されたもので、国内外からの観光客の来訪及び滞在の促進と経済発展を目的としているものでございます。
法律は、本年6月16日に公布され、公布の日から1年を超えない範囲内で施行する予定とされているところであり、一部の報道では、早ければ平成30年1月には施行されるとされておりますが、現在、国の政省令などの公表がおくれていることもあり、最も遅い場合であれば、来年6月15日が法律の施行日になると想定されているところでございます。
現時点では、区内で民泊事業を営む場合は旅館業法が適用されることとなっておりますが、民泊という概念が浸透してきているところなどもあり、区への苦情や相談件数も増加傾向にございます。区に寄せられている主なものとしては、見知らぬ人が出入りするので恐ろしい、あるいは不安であるといったものや、夜中の騒音、深夜や早朝の出入りや移動に多く使われているキャリーケースの音への苦情、ごみ出しなどの苦情が主なものとなっております。
また、一方で、民泊を経営したいがどうすればいいのか、また、自宅を改装したいがどのような基準があるのかなど、事業者として相談も寄せられており、これらも法律の成立に伴い、多くの相談が来ている状況でございます。
お尋ねの民泊に対する区民の意向の把握でございますが、国において、この法律の具体的な運用を定める政省令の内容が明らかになっていないことや、観光行政を所管している観光庁等が作成すると言われているガイドラインにつきましても、現時点で示されていない状況でございます。法律を運用していく上での条件が明確でない中で、現時点で区として、この法律について直接区民の皆さんに対し何らかの意向を伺うという状況ではございませんが、増加している相談件数やその内容から見ますと、新たな法律に基づく民泊事業者や民泊者に対して、法律や地域のルールをきちんと守ってほしいという御要望や、静かな住環境を維持してほしいという御意見も多いのではないかと考えられます。また、今後、民泊事業への参入を検討している方や住宅の所有者が、必ずしも区内在住者であるわけではないことから、事業者側の意向については、区単独で把握することは難しい面もあると認識しております。
区として、寄せられている苦情や相談内容からいたしますと、住民の方と事業者の間では異なった意向が出ることもあり得ると考えてございます。
法律には、生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を含めて事業実施期間を制限することができるという規定がございますが、生活環境の悪化防止に対する対応策の考え方をとっても、条例で対応するのか、あるいは事業者への監督の強化で対応するのかといった、さまざまな考えがございます。
また、特別区と保健所設置市を除く都内市町村については、東京都が直接
住宅宿泊事業者の監督や条例制定事務を処理することから、東京都の動向も適切に把握していく必要もございます。
さらに、民泊事業実施に伴う宿泊者や近隣住民の安全確保のため、新たな
民泊施設についての防火や防災などへの対応の観点から、警察署や消防署などとの連携も必要になり、関係機関の考え方についても把握していく必要がございます。
まずは、国における政省令やガイドラインが早期に公にされることが重要でございますが、区といたしましては、東京都の住宅宿泊事業対策本部を初め他区の動向の把握に努めるとともに、法律の施行に当たって目黒区の良好な住環境が維持できるよう、課題抽出や対応策の検討、区の体制の検討なども含め、引き続き区民生活の安全・安心を確保していくよう努めてまいりたいと存じます。
以上、お答えとさせていただきます。
○7番(西崎つばさ議員) それでは、再質問させていただきます。
まず、官民データ活用推進基本法への対応ということなんですけれども、いわゆる区の計画ですね、官民データ活用基本計画というんでしょうか、これは努力義務であるということでありますけれども、先ほど答弁では、いわゆる現在の情報化推進計画がその理念にかなっているというようなお話でありました。
ただ、もちろん若干それを超えた部分というのも今回の法には含まれると思います。そういった意味で、目黒区として今後、官民データ活用基本計画を策定すべきだと私は思うんですけれども、それについて伺います。
国は、先ほど答弁にもありましたように、5月30日に国の計画ができたと。東京都におきましてはまだということでありますけれども、東京は速いとか言っているぐらいですから、恐らくすぐに出てくるものだと思います。
その中で、現在、目黒区は情報化推進計画、これは昨年の3月ですのでまだ1年半しかたっていないという状況ではありますけれども、その計画の中にも、国や
地方自治体を取り巻くICT環境や社会情勢が大きく変化した場合には、必要に応じて見直しを行うと書いてあります。そもそもですね、これ5年の計画となっていますけれども、目まぐるしい進歩を続けるICT等の技術の今のこの社会において、5年間見直さないというのは、かなり現実的ではないなと思っているところでありますけれども、今まさにそのタイミングなのではないかなと、1年半ではありますが、思っています。なので、官民データ活用基本計画を策定をしていくのか。もしくは、情報化推進計画を改めるという形でセットにして考えていくという方法もあるのではないか。そういった視点を踏まえて、今後、区としてその計画についてどうしていくのかをまず伺いたいと思います。
次に、オープンデータについて伺います。
オープンデータにつきましては、先ほども丁寧な御答弁ありましたけれども、今現在、データ自体は当然区にたくさんあるわけです。人口統計であるとか施設というのは今お示しをいただきましたが、財政状況であるとか、目黒区であれば喫緊の課題であると言える待機児童数、こういったものも当然データであると思います。これはもう挙げると切りがないぐらい、目黒区には当然データというのは集まっているわけであります。
その中で、答弁にもありましたが、ガイドラインであるとか、「オープンデータをはじめよう」といった、いわゆる手引書ですね、かなり丁寧な手引書になっているかと思います。そういったものまで、今既にもう準備をしてくれているわけでありまして、答弁にありましたように、23区中、もう14区が実施をしているという状況であります。これ何で目黒区では、今までそこに着手をできていない状況になっていたのか。率直に言うと、なぜちょっとおくれぎみなのかというところを、これはもう率直な今の状況を伺いたいと思います。何でおくれているのかということを伺います。
次に、先ほどミニマムデータセットのお話がありました。これについては、今後示されるということでありますけれども、IT総合戦略本部のワーキンググループによると、もう来月10月にですね、
地方自治体が最低限公開することが望ましい推奨データセットと、またフォーマット標準例、これが示される見込みとなっています。現在はまだ案の段階で公開されておりますけれども、AEDの設置場所、介護サービス施設、医療施設、文化財、こういった一覧などなどが例示されているところでありますけれども、これは、ある意味では自治体のオープンデータを促進するためにやっているという話でありますので、これについてはですね、少なくとも、遅くとも年度内には公開できるぐらいの迅速な対応をお願いをしたいと思うんですが、それについていかがでしょうか。
次に、協働の観点から少し伺います。
オープンデータ、先ほども答弁でありましたけれども、特に自治体におけるオープンデータの意義については、地域の課題を解決するという視点が重要であると。これガイドラインにも示されているところであります。ということは、当然区民もそうですけれども、区民ではない一般の方であるとか民間事業者、こういったところの協働による課題解決、経済活性化に期待がかかっているということであります。これによって、これまで区が気づかなかった、もしくは手が回らなかった課題の発見であるとか、もしくは解決につながるという可能性があるわけであります。
国のIT総合戦略室が紹介している事例、オープンデータ100というもので、恐らく担当の方はもう熟知されていると思いますが、例えば消防団員のための消火栓マップアプリであるとか、全国の図書館を横断検索できるシステムであるとか、子育てローカル情報アプリ、こういった住民サービスの向上に寄与する取り組みが数多く挙げられているわけであります。
ということですので、当然これまでよりも積極的な協働の観点が求められてくるものだと思っています。やはりこれまでの目黒区の協働の歩みというのは、かなり遅かったと言わざるを得ないと思っていますけれども、今後、オープンデータ、ここでは今オープンデータに特化して聞きますが、地域課題解決につながるような民間からの提案、協働的な視点でしっかりと積極的に受け入れていくという、そういうつもりがあるのかどうか伺います。
また、関連して、逆にですね、こちらから呼びかけていくような動き。台東区では来月、10月28日に、これは東京都と共同実施でありますけれども、オープンデータアイデアソン、これを実施するというふうに聞いております。これは受け身、要は公開して終わりではなくて、ある意味では攻めの姿勢で、このデータを使ってどういうことができるかを模索をしていく取り組みであります。港区も昨年、アプリコンテストというものを実施しているようであります。今現状、まだオープンデータを実施していない状況でありますから、今すぐとは言いませんけれども、今後、アイデアソンであるとかハッカソンなど、区側から働きかけるような取り組みも検討していくべきだと思いますが、お考えを伺います。
そしてまた、オープンデータについては最後になりますが、今後、区のあらゆる施策と言っていいでしょう、施策を進めていく上に当たって、オープンデータ・バイ・デザインの考え方というのが必要になってくると思います。つまり、オープンデータを前提として情報システムや業務プロセスを組み立てていくと、この考え方が必須になってくると。これは国ではもう示されておりますし、区でも当然そういったことになってくると私は思っています。そうなると、当然これは情報所管等だけでは対応できるわけではありませんので、全庁的に取り組まなければならないということでありますので、今後ですね、もう今そういった時代であるということをまず区長に御認識をいただいて、さらに全職員で意識を共有をしていただきたいと思いますが、それについて区長の考えを伺います。
最後に、民泊について伺います。
民泊に関して、政省令もしくはガイドライン、こういったものが出ていないという中でありますので、これは区側も非常に苦慮をされていることだと思います。しかしながら、そういったものが、じゃ、出てきた後にどう区としての方針を固めていくのかというのは、これは今かなり関心が高まっている中で、特に住宅街が中心の目黒区において非常に重要な、生活に密着した政策判断になろうかと思います。そういう意味では、じゃ、政省令、ガイドライン等がそろってからでも構いませんが、丁寧に区民の意向というものを、これは区が決定する前に、民泊に対して、例えば条例で制限するんだ、もしくは監督を強化していくんだ、そういった具体的な施策を固める前に、しっかりと区民の考えというものを調査をして、しっかりと把握をしていく必要があると思うんですけれども、それについて伺います。
以上です。
○
青木英二区長 それでは、まず1点目、区の推進計画を新たにつくるということですけれども、まず、基本的な私どもというか、国の考え方は、都が義務、私どもが努力義務ということになっています。国の大きな考え方は、例えば私どもでは推進計画に当たりますけれども、その推進計画の中で、例えば国が進めていく基本計画と同じ方向性であれば、それを活用していく対応もいいというか、そういう考え方も示されていますし、そういったことがなくて、持っている推進計画には新たに国の考え方を盛り込んでつくるという対応も、国のほうで考えているところでございます。ここは議員と私、考えが違うんですが、私ども一言一句、国の進めている計画と全く同じだということではありませんが、少なくとも、例えばマイナンバーの利活用や普及、これは国も私どもも全く考えは同じでございます。それから、例えば利用機会が大きく違ってはいけない、格差の是正、これは国が言っています。私どももデジタル・デバイドの配慮なども掲げております。一番大きいのは、私ども官もオープンデータを推進していく。国は官民データの容易な利用というふうに言っていますので、大どころ、大きな点では、私の認識で言うとそんなにずれてはいないんではないかなというふうに、これは私の認識ですが、ずれていないんではないかということなので、私は、今の利用計画をそのまま使っていっていいのではないかという判断です。
じゃ、見直しはどうなんだということですが、これは私ども、上位計画の、やはり東京都の状況というのをしっかり見ていくことが必要でありますので、32年度までが東京都として、都道府県としての策定の時期というふうに聞いておりますので、それまでには、今もっと早く出てくるんじゃないのという話ですから、それはそういうものが出てきた時点で整合性をしっかりと踏まえて、整合性がなければ私どもも見直しをしていく必要がありますし、整合性があれば、それはまた特段見直す必要もありませんので、一つのポイントは、東京都の計画が出たときに、私どもはそれを見てどう判断するかというのが、見直しがあるかどうかのタイミングというふうにお答えを申し上げたいというふうに思っております。
あと、おくれているんではないかということですけれども、これは私ども特段大きくおくれているという認識は持っておりません。着実に今、28年度に検討、32年度までに実施ということを計画をしてございますので、14区は早い、早いのが、じゃ、もしかしたら拙速ということも言えるかもしれませんし、私どもは目黒区としてしっかりと進めていくという認識を持っているところでございます。
それから、オープンデータの公表については、年度内に公表をできるように努力はしていきたいというふうに思っているところでございます。
それから、協働についての関連したことで、あわせてちょっとお答えを申し上げたいと思いますが、国、正確に言うと内閣官房のほうで、今回の大きな目標の一つは、それは官民のデータを使って公共サービスを実現していくということを申し上げてますから、これは私どももそういったことは大事なことだというふうに思って、これから推進をしていかなければいけないということでありますし、そういったことを通じて区民の皆さんの提案ですとか考え方を私どもしっかりと拝聴をしていくということは、これは基本的に大事なことだというふうに思っておりますので、そういった対応をしてまいりたいというふうに思っております。
あわせて、その時期の問題です、時期。時期の問題で言うと、これは今、アイデアソンなども行われているということでございますけれども、時期についてはですね、一番大事なのは、何について御意見をいただくのか、どういった内容について提案をしていただくのかということが大事でございますので、例えばアイデアソンをやっている自治体などの状況を見ても、オープンデータの公開後にやっているんです。それは当たり前の話で、何をオープンデータとして示していくかということが参加する方にわからなければ、それはアイデアソンだろうが何とかソンでも出てこないんですね。そういったことからいくと、私どもは、オープンデータの公開の項目がきちんと見えた時点でさまざまな、他区、
先進自治体がやっているアイデアソンですとかそういったことをやるのかどうかの判断があってしかるべきですので、今やるとかやらないとかいうよりも、まず、私どもはオープンデータの項目を早くお示しをしていくということかなと思います。
あわせて、さっきも触れましたように、官民の協働による、データによる、私どもは公共サービスの実現、これを否定していることではございません。
それから、オープンデータ・バイ・デザイン、これ横文字がずっと続くので、適切に表現ができないんですが、これは内閣官房の資料も私も読んでみましたら、これはいわゆるオープンデータを前提として情報システムを検討し、整備し、実施していくということだというふうに思います。当然、私どもオープンデータをやっていくわけですから、それはそういったことをしっかりと踏まえやっていくということは、全くそのとおりだというふうに思っております。ちょっと生意気なこと言うと、特段何か新しいことを言われているわけではないんじゃないかな、横文字で使うとオープンデータ・バイ・デザインと長いんですが、言っていることは、私どもはそういうことを今までもやってきていると、区長としては認識はいたしているところでございます。
大事なことは、これはもう全く議員御指摘のように、今私どもオープンデータの所管は情報課であったり広報課が中心になってやっていますけれども、それは全体的にきちんとやっていく、区長もというお話がありましたが、まずは区長が先頭になって、こういったオープンデータ・バイ・デザインという認識をしっかりと持っていく。で、各所管がばらばらであってはいけませんから、例えばそれをマニュアル化して、そのマニュアルを使って研修を行っていくなんていうことは最も大事なことでございますので、この点はもう全く議員御指摘のとおりでございます。
それから、最後の民泊でございますけれども、これは私ども民意をつかむということですけれども、まず私どもとしては、先ほども答弁申し上げましたように、まず一番大事なこと、行政として大事なことは、そもそも論として、これ手挙げにするのかどうかということなんです。目黒区としてこの事業を受けるのか受けないのかというのは、大変大事なことでございます。私も、都政新報を見ていても、うちだけではなくて相当数がまだ、どうするのというのがはっきりわかっていないわけでございます。8区がまだ未定なんです。
さらに大事なことは、制限条例どうするのというのも、うちも含めて多くの自治体で未定です。根幹部分が、私ども制度設計としてきちんと明確でない中で、区民の皆さんに何をどう聞いていくかというのは、非常に慎重にやっていかなければいけない課題だと思います。
じゃ、全く何も知らないのかといえば、それは逆に言うと、私どももう既に、これも見せられませんが、23区では非常に、これも都政新報にも出てますけども、23区では非常に苦情等トラブルの御意見も多く出てます。多分、都政新報は、うちが把握しているものを都政新報に出してるわけなので、私ども情報というか、住民の意向というのは全く知らないわけじゃありません。先ほど議員のお宅の前のトラブル、あの御説明いただいたものは、私どもも十分、議員の家の前がトラブルだったのは私も初めて聞きましたけども、議員が述べられた内容については、私どもは十分把握はしています。したがって、住民が何を今御心配されているかということを全く知らないというわけじゃなくて、それは十分わかっているつもりでございます。
○
佐藤昇議長 西崎つばさ議員の一般質問を終わります。
本日は、これをもって一般質問を終わります。残りの一般質問は、次の本会議で行うことといたします。
次の本会議は、明9月8日午後1時から開きます。
以上で本日の日程は終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
〇午後4時30分散会...